補聴器は“言葉の発達”との深い関係
- Mimitakara
- 10月24日
- 読了時間: 3分
「補聴器は、耳が悪くなったときに仕方なく使うもの」そんなイメージを持っていませんか?
実は補聴器は、単に“音を大きくする”だけでなく、“言葉を理解する力”にも関わる大切なツールです。特に子どもや、言葉の理解が追いつかない方にとって、補聴器は耳と脳をつなぐ架け橋となり、ことばを学ぶ・使う力をサポートしてくれる役割を果たしています。

音を聞くだけじゃ不十分?“ことばの理解”には脳の働きが必要
人が「ことばを覚える・話せる」ようになるには、次のステップが必要です:
- 耳で音を聞く(聴力) 
- 音を脳が受け取り、意味を理解する(認知・言語処理) 
- ことばとして表現する(発語・会話) 
つまり、聞こえるだけではなく、脳で“意味のある音”として理解できるかどうかがとても大切なのです。
聞こえにくいと、脳と言葉の発達が遅れやすくなる
特に幼い子どもにとっては、「耳から入る音の量」が、そのまま語彙力や言語理解力の土台になります。
しかし、生まれつき難聴がある、または聞こえにくい状態が続くと…
- 会話や読み聞かせの音が聞き取れない 
- 言葉の違い(例:「か」と「が」)がわからない 
- 音のリズムや順番(文法)を覚えにくい 
などの影響が出て、言葉の発達が遅れたり、表現が苦手になることがあるのです。
補聴器ができること
補聴器は、聞こえにくくなった音を適切な大きさにして脳に届けることで、耳と脳が連携して「ことばを覚える力」「聞き分ける力」を取り戻す手助けをします。
特に最近の補聴器は、
- 会話に必要な周波数だけを強調したり 
- 雑音を抑えて、ことばを聞きやすくしたり 
- 両耳での聞こえをバランスよく調整したり 
といった機能で、“脳が理解しやすい音”を届けてくれるのです。
関連の研究データ
たとえばオーストラリアで行われた「LOCHI研究」では、難聴の子どもたちを追跡した結果、補聴器を6か月齢までに使い始めたグループの方が、2歳以降の言語力が高かったことがわかっています。
また、日本の研究でも、補聴器の早期装用と適切な支援により、発音・理解力・文法力の発達が促されたという報告があります。
まとめ
補聴器は、音を大きくする機械ではありません。聞こえを取り戻すことで、「ことばを学ぶ・話す・理解する」力を支えてくれる大切なサポートツールです。
特にお子さまの場合は、「聞こえにくいかも?」と感じたら、できるだけ早く対応することが、言語や学習の発達にもつながります。
「言葉の遅れが気になる」「会話が伝わりにくい」そんな時は、耳と脳の関係にも注目して、補聴器という選択肢を前向きに検討してみてください。



