高齢者の「聞こえ」にご注意を|転倒リスクと耳の意外な関係
- Mimitakara
- 11月12日
- 読了時間: 3分
高齢のご家族にこんな変化はありませんか?
最近よくつまずくようになった
後ろから声をかけても気づかない
会話の聞き返しが増えてきた
実は、「聞こえにくさ」と「転倒リスク」は深くつながっていることが、近年の研究でわかってきています。
耳の奥にある“内耳”は、音を感じるだけでなく、体のバランスを保つセンサーの役割も担っています。この記事では、高齢者の方の転倒リスクを減らすために、聴力を見直すことの大切さを、家族の視点からわかりやすく解説します。

実際に確認されている“聴力と転倒リスク”の関係
米国ジョンズ・ホプキンス大学の研究によれば:
中等度の難聴がある人は、正常な聴力の人に比べて転倒リスクが約3倍に上がる
聴力が10dB低下するごとに、転倒の確率が約1.4倍上がる傾向がある
この背景には、
内耳のバランス機能の低下
音による“空間把握”の能力低下
聞き取りへの集中による注意力の分散
といった複合的な要因があるとされています。
聴力の低下が転倒リスクを高める理由とは?
原因 | 内容 |
🌀 内耳のバランス機能の低下 | 聴力が落ちると、内耳の平衡感覚も衰えやすくなる |
🔉 音の情報による空間認識力の低下 | 足音・話し声・物音で空間を把握する力が落ちる |
🤯 脳の処理負荷が増える | 聞き取ろうとすることに集中しすぎて注意力が低下 |
🚶♂️ 補聴器・集音器未使用による情報不足 | 音の刺激がないことで、脳が“聞く力”と“動く力”を同時に失いやすい |
こんな兆候があったら要注意
耳が聞こえづらくなってから、歩くとふらつくようになった
テレビの音を上げるようになったのと同時に、つまずくことが増えた
後ろから声をかけられて気づかず、バランスを崩した
補聴器を外すと、歩行が不安定になる
これらは、「聞こえの低下」と「転倒不安」が関連している可能性があります。
転倒予防のために「耳をケアする」ことの重要性
聴力の低下に気づいたら、まずは次の3つのアクションを:
✅ 聴力を測る(耳鼻科・補聴器専門店などで)
→ 自覚がなくても軽度難聴が進んでいるケースも多いです。
✅ 集音器や補聴器を検討してみる
→ 周囲の音・会話が聞き取りやすくなり、“音による安全確認”がしやすくなる→ 最新機種は軽くて目立たず、装着ストレスも少ないものが増えています。
✅ バランストレーニングや軽い運動も取り入れる
→ 聴覚と一緒に“体の感覚”も鍛えることで、転倒リスクを減らせます。
まとめ
「聞こえにくい」と「転びやすい」。一見関係のなさそうなこの2つですが、実は内耳という共通の“土台”に支えられている機能です。
聞こえにくさを放置すると、ただ会話が不便になるだけでなく、転倒・ケガ・寝たきりリスクにもつながる可能性があります。だからこそ、聞こえにくいと感じたら、「年だから仕方ない」ではなく、早めのケアが大切です。「耳を守ることが、身体も守る」その第一歩を、今日から始めてみませんか?



